不在者達


さわさわ葉擦れの音がすれば不在者達のおでまし御出席です
   風の渚 竹の葉の渚...
こんな寂かな自然の饗宴には確かに不在者達が臨席していて
今か今かと出現のチャンス時機を密かに窺っているのです
竹の葉のさらさらと鳴る揺らぎの中に彼等は潜んでいるのです
   目にはさやかに見えねども...
これはどんな推論でも考察でもなく
只 さわさわと気もそぞろにさせる竹林の中を
たった独りで歩いていると
もうどうしても何か見えない存在の気配を感じて
それを名づけて呼ぼうとすれば不在者と呼んでみるしかない
そして私は歴史の創世期に立ち会うように
宇宙の揺籃期に偶然居合わせた証人のように
いつまでもその時を 彼等の到来を待ち侘びるのです
私自身が細やかな量子の粒になって
いずれ蒸発してしまうまで...
ああ
この竹の葉のさやぎの中は不在者達の馨しき現存です!











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